微弱陣痛の援助について

助産学生

陣痛が弱かったらどうしよう…

 

皆さんこんにちわ!

今回は陣痛が弱かった場合の対処法についてお話ししていこうと思います。

これって結構あることですよね。

学生さんにとっては進まないお産ほど大変な事はないですから、少しでも役に立てたら嬉しいです!

陣痛について

まずは陣痛について

陣痛とは

陣痛とは陣痛とは赤ちゃんを産むときに生じる、子宮(正確には子宮筋)の収縮のこと

しかし、

残念な事に陣痛が起こるメカニズムに関しては、まだ解明されていないと!!!!いうのが現状なんです。

いくつかのホルモンが関係しているようですが、現代医学を持っても解明できないって陣痛って神秘的ですね。

案外本当に神の領域なのかもしれませんね。

次に陣痛の定義について説明していきます。

陣痛の定義

陣痛とは「規則正しく10分以内または1時間に6回以上の痛みを伴った子宮の収縮をいい、その開始時期を陣痛発来という。」

日本産婦人科学会

分娩陣痛がはじまると子宮口が開き、赤ちゃんが生まれる準備が本格的に進んでいきます

進行状態はフリードマン曲線を参考にして分娩所要時間を割り出していきますが、フリードマン曲線を逸脱してくると微弱陣痛になっている事が多く、学生の皆さんはここで悪戦苦闘をしてくると思います。

まず微弱陣痛とはどんなものか、判断基準はありますが、まずは日本産婦人科学会より

微弱陣痛とは

通常よりも陣痛が弱かったり、間隔が長かったりする状態のことです

判断基準

陣痛周期

子宮口の開き具合により、6分30秒以上(4~6cm)、6分以上(7~8cm)、4分以上(9~10cm)が陣痛周期の目安とされています。子宮口が完全に開いてから(分娩第2期)は、初産婦では4分以上、経産婦では3分30秒以上がの目安となります

陣痛持続時間

子宮口の開き具合により、40秒以内(4~8cm)、30秒以内(9cm~第2期*)とされています。

一応定義付けされているので、

学生さんは

アセスメントの根拠として覚えておく必要はあると思います。

実際の現場では陣痛を必死に測っているわけにはいかないので、感覚的に

1時間たったのに間隔が縮んでこない

全開しているのにイキメない

などの状態で判断していくことが多いです。

では微弱陣痛になったと判断した場合どうしたら良いか。

微弱陣痛時の援助

まず微弱陣痛になった要因を考えていきましょう。

微弱陣痛には2種類あ理ます

原発性微弱陣痛続発性微弱陣痛

です

原発性微弱陣痛とは

器質異常:子宮の形に何かしらの異常がある状態。子宮奇形や子宮発育不全など先天性(生まれつき)の問題や子宮筋腫などの病気が考えられます。

過伸展:通常の妊娠よりも子宮が引き伸ばされた状態です。原因としては、多胎妊娠や羊水過多などが考えられます。

持続性微弱陣痛

途中から陣痛が弱くなる事

産道異常:赤ちゃんの通り道のトラブルで、狭骨盤、軟産道強靱などがあります。

娩出物異常:娩出物とは分娩によって体外に出されるもの、つまり赤ちゃんの事を指します。主に巨大児が該当します。

その他の原因:胎位(子宮頸管に対する赤ちゃんの頭、顔の向き)や胎勢(赤ちゃんの体勢)異常、回旋異常など赤ちゃん側の問題や、子宮筋や母親の疲労、麻酔による影響など母親側の問題が考えられます。

色々な要因がありますが、だいたいは持続性微弱陣痛の場合が多く、微弱陣痛になってしまった要因にアプローチをしていきます。

母体疲労による微弱陣痛の場合多くは

  1. 睡眠が取れていない
  2. 食事が取れていない
  3. 緊張

などが多いのではないでしょうか。

 

睡眠が取れていない場合の援助

  1. 部屋を暗くする
  2. 静かな環境を作る
  3. 体を温める(暖かい飲み物の摂取や足浴、靴下の着用など)
  4. 睡眠を誘導させるようなアロマを使用する(ラベンダー

大体の産婦さんは「痛くて寝れない」と訴えますが、良いんです。「痛みと痛みの合間にウトウトするだけで効果ありますよ。と声をかけてあげましょう。

アロマのラベンダーの効能としては

鎮痛効果

リラックス効果

がありますので、是非取り入れたいところですね。

 

食事が取れていない産婦さん

食事が取れてない患者さんには無理に食事を取らせると嘔吐する場合があるので、おススメできません。

その代わり、エネルギーゼリーやチョコレート(糖分補給)をススメます。

飴でも良いんですけど、口の中にずっとあると気分が悪くなったり、喉につかえる危険性もあるので、あまりすすめる事はしないかな。

エネルギーゼリーは入院時に持ってくるように母親学級でもススメています。

又、あまりにも飲み食いができないくらいの産婦さんには最終的に点滴をする場合もあります。

その場合は医師に相談してくださいね!

緊張していて進まない場合

緊張している場合は緊張をとってあげましょう。

大抵は痛みが怖い。お産する事自体が怖いなど、出産に対する恐怖から緊張している事が多いので

  1. 寄り添い話かける。
  2. マッサージなどをする。(三陰交を刺激すると効果的
  3. 分娩の進行状況などを説明する
  4. アロマなどで緊張をほぐす
  5. 身体を温める。
  6. 呼吸法を促す

などが有効的です。

出産は怖くないよ。もうすぐ赤ちゃんに会えるね。上手に呼吸出来てるね。

名前決めたの?3Dどっちに似てた?など赤ちゃんの事を話題にするのも緊張がほぐれます。

三陰交とは

足の内くるぶしから指4本分上の位置・すねの骨の少し内側にあるツボです。 陣痛促進に効果がある言われています。

温めてあげることで陣痛緩和の効果も期待出来ます。

不安解消にはラベンダーオイルを使用し、三陰交を刺激してあげると更に効果が上がると思いますので、ぜひ試してみて下さいね

 

その他産婦さんの訴えとは裏腹に全然進まない人

産婦さんは痛いと言ってはいるけれど、食事も睡眠もある程度出来る産婦さんには活動してもらう事もあります。

階段の上り下り、スクワット、病棟の散歩など。

その場合転倒の恐れもあるので、一緒に付き添ってあげて下さいね

又、

乳頭マッサージも効果的です。

活動に疲れた産婦さんにはあぐらをかいて、乳頭マッサージをしてもらう事もあります。

効果は

乳頭を刺激する事によって陣痛促進作用のあるオキシトシンが分泌されるので、結構効果あります。

私も結構この乳頭マッサージ、やってもらう事がありますね。

オキシトシンの効果抜群です!

薬剤を使用する場合
  1. 原発性で子宮が過度に伸びてしまっている場合。(前回巨大児を出産した経産婦、羊水過多、2人以上の経産婦など)
  2. 子宮筋腫合併

助産師の領域ではどうにもならない場合は薬剤という選択もある事を覚えておきましょう!

まとめ

微弱陣痛の介助とは

微弱陣痛になってしまった要因を見つける事

微弱陣痛の要因がわかったらそこにアプローチ

  1. 部屋を暗くする
  2. 入眠できる環境作り
  3. 食事はエネルギーゼリーなどで補う
  4. マッサージを取り入れながら陣痛促進のツボマッサージ
  5. 足浴、靴下、ホッカイロなど、体を温める工夫
  6. 呼吸法でリラックス
  7. アロマを利用し、陣痛促進とリラックス
  8. 程度な寄り添い、会話で緊張をほぐす
  9. 階段の上り下りなど活動を促す
  10. 乳頭マッサージによってオキシトシンを利用
  11. 場合によっては薬剤が第一選択になる場合もある。

 

以上が微弱陣痛のアプローチ方法でした。

 

最後まで読んでいただきまして

ありがとうございました。

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